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1度イカリさんの背中を見て、その紙に手を伸ばした。
文字は読めないけれど、数字なら少しはわかる。
あの檻の中にいた時はいつも数字の書かれたバンドを腕にしていたから。
めくっていくとまた写真があった。
俺と同じ顔なのに、ニコニコしてて別の人のように見える。
この人のこと、確か”マシロ”って言ってた。
イカリさんが俺と初めて会った時に呼んだ”マシロ”って名前も、この人のことだったのかな。
俺がマシロさんと似てたから引き取ったってこと?
俺はマシロさんの代わり?
それなのに、全然マシロさんみたいにニコニコしないから俺のこと嫌いなの?
馬鹿なくせに、こんな事だけ頭が回って嫌になる。
マシロさんは、イカリさんの特別な人、なのかな。
胸がちくりと痛んだ気がして首を傾げた。
「お前それ内容わかんのか?」
いつの間にか俺の後ろからイカリさんが覗き込んでいてびっくりする。
首を振ると、だろうなって笑った。
今日のイカリさんは、よく笑う。
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