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誕生日 12
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たんじょ……?て、なんだろう。
おめでとうって、どうして?
今日、イカリさんから初めて外に出かけるかと言われたのと何か関係があるのかな。
外に出るのは捨てられる時だけだったからあまり気は進まなかった。
でも、もしイカリさんが俺を捨てる気なら、嫌がったとしても俺には何も出来ないから受け入れるしかない。
傷跡を隠すためなのか、首の長い服やカーディガンというものを着させられた。
いつも着てる部屋着とは違ってダボっとしていないから変な感じ。
「あのクソ野郎………」
「…おこってる……」
「怒ってねぇよ」
行くぞ、と玄関の扉を開けて先に出て行ってしまうイカリさんを慌てて追った。
駐車場までエレベーターで下りて、見た事のある車に乗り込む。
この車に乗るのはイカリさんと初めて会った日以来だ。
でも、あの日とは違って今日は助手席に座らされている。
ここに座っているとイカリさんの顔がよく見える。
今から向かう行き先が、あの檻の中以外の想像が出来なくて、体を縛るシートベルトが逃げないように繋がれた鎖のように感じた。
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