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誕生日 14
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「シロ」
名前を呼ばれてイカリさんと目を合わせる。
イカリさんは何かを企んでいるような顔で「ほら」と視線を窓ガラスの外へ向けた。
その視線の先を追うと、もう暗くなった景色の中に小さな光がスウっと線を描いた。
「わ………」
瞬く間にその光は増えていき、まるで生き物のように浮いて辺りを照らす。
ゆらゆらと、淡い光が無数に集まって飛び回り、目が離せない。
「外出てみるか?」
「イカリさんは………?」
「俺も出るよ」
「ん……」
車を降りてその光に近づく。草にとまった光の玉。
よく見ると光には虫のような生き物がくっついていた。
「………虫、ついてる……」
「ついてんじゃねぇよ。その虫が光ってんだ。蛍だよ」
虫って光るんだ……。
とまっていたほたるが飛んでいき、他の仲間と遊んでいるみたいにいくつもの線を描いていく。
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