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距離 21
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帰ってきたイカリさんは、前までのイカリさんと少し違う気がした。
うまく言えないけど、
いつも俺が新しいことをする時は教えながら一緒にしてくれていた。
でも、帰ってきてからは口で指示を出して遠くから見てることが増えた。
触られる回数が減ったというか、
俺から近付く時はいつも通りだけど、イカリさんから近付いてくる事はなくなったように思う。
別に避けられているわけではないんだけど。
「じゃ、DVD返してくるな」
「ぁ……」
「あ?一緒に来るか?また人と会うだろうけど」
「………」
知らない人と会って痛いことをされるかもしれない事より、イカリさんがどこかへ行ってしまう事の方がずっと怖い。
「まあ、少しずつは慣れていかねぇとだしな。一緒に行くか、シロ」
「ん」
他の人に慣れたら何があるというのだろう。
イズナさんだけじゃダメなのかな。
イズナさんですらまだ全然慣れていないのに、知らない人に慣れるなんて一体どのくらい先になるのか。
案の定、一度行ったお店のレジの男の人に軽いパニック状態になってしまった俺に、イカリさんは怒りもせず家に帰ったあともずっとそばにいてくれた。
俺、ひとりじゃ何も出来ないな。
イカリさんといると、すごく弱くなる。
強くならないと。
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