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マシロ 5
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自分の手を見た。
骨と皮しかなくてガイコツみたい。
爪だってだいぶ生えてきたけれど、どれも歪んでいて汚い。
「何でわざわざ俺に構う。お前の相手してくれる男なんかいくらでもいんだろ。そっち行け」
「僕はお兄さんがいいの。あ、もしかしてお金くすねた事怒ってるの?返そうか?」
「金は返せ。そんで出てけ」
「うはは、なんかこのやり取り懐かしいね」
俺の知らない2人だけの世界の話。
たった一歩の距離なのに、2人と俺の間に超えることの出来ない溝があるように思えた。
なんだか、心臓がツキツキする。
俺を見て。名前を呼んで。遠くに行かないで。
結局何を言ってもマシロさんは家に居座り、ホテルに行ってもどうせついてくるだろうって事で少しの間だけ一緒に住むことになった。
マシロさんはリビングのソファで寝て、俺たちはいつも通り寝室で一緒に寝る。
もうずっとイカリさんと一緒に寝てなかったみたいに感じる。
同じ布団に入って、イカリさんが「来い」て言って、腕の中に包まれて。
いつもと同じ、同じなのに。
「………っ?」
心臓、壊れそうなくらいばくばくいってる。全身が燃えてるみたいで、顔を見れない。
一度離れたことで、今まで何とも思わなかった事も意識するようになった………のかな?
そ、それは……………………こまる。
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