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別れ 5
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イズナさんもご飯を食べて帰るらしく、マシロさんとイズナさんが買い出しに行ってくれて、結果的に全員で夕飯作りをする事になった。
4人入っても充分に動ける広いキッチンでそれぞれ好きに作業に取り掛かる。
「おい、鍋にするって話じゃなかったのかよ。材料が明らかに違ぇぞ」
「やっぱりカレー食べたくなっちゃって!あ、僕辛口ね」
「志樹は何で座ってんだ。お前も手伝え」
「僕、普段外食ばかりだから料理とかしたことないの。ここで見守っててあげるから頑張って」
「しき?お兄さんしきって名前なの?」
「そうだよ。志に樹木の樹。かっこいいでしょ」
「へ〜!しきさんって顔もかっこいいからモテそう!モデルさんとかやってる?もしかしてお金いっぱい持ってる?」
「さあ?」
いつの間にか仲良くなっているイズナさんとマシロさんを横目に、イカリさんは俺の手に茶色の野菜を乗せた。
丸くて、先っぽがとんがっている。これ食べたことない。
「玉ねぎ。皮剥いて外側の茶色がなくなったら俺に渡せ」
「ん」
1枚だけペリ、と剥くお手本を見せると、イカリさんはすぐに離れて別のことをする。
床に座ってゴミ袋の上にペリペリ皮を剥いで落とした。
思ってたより簡単かもしれない。
全部剥き終わって顔を上げると、並んで料理するマシロさんとイカリさんが視界に入った。
マシロさんも料理できるんだ……。
同じ年を生きているはずなのに、何もかも違う。
俺はイカリさんの役に立てない。
迷惑かけてばかりだ。
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