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別れ 9
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ピンポーン、と質素な部屋に似合わない明るいチャイムが鳴った。
誰かが来たんだ、と思ったけれどイカリさんから「帰るまでここで待ってろ」と言われたから動けない。
何度か続けてチャイムが鳴る。
エントランスのインターホンは鳴らなかったから、もしかしたらイカリさんが帰ってきたのかも。
鍵を忘れて入れないのかな。
鍵を開けるだけなら、ここから動いてもいいかな。
少し考えて「ここにいろ」と言われた場所から動き、扉の鍵を開けた。
しばらく待っても入ってくる気配がなく、不思議に思いながらそっと扉を押す。
「イカリさん·········?」
「お久しぶりですね。お元気そうでなによりです」
一瞬心臓が止まった気がした。
淡々と喋る感情のない声。黒いスーツをピシッと着こなした眼鏡の男の人。
········サクマさん。
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