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【江戸物 】浪人侍×盗っ人
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「へへ…いいカモ発見」
俺は目の前から歩いて来る、浪人風の侍を標的に決めると、人込みに紛れて近付いた…
ードンッッ!!ー
「おっと!ごめんよ~」
わざと肩をぶつけて、相手が怯んだ隙に素早く袖の袂の巾着袋を掴んだ。
ちょろいちょろい…
ーガシッー
えっ⁉︎
「おい…何の真似だ小僧…」
「ー痛っっ!」
俺は掴まれた腕をそのまま捻り上げられて、苦痛の声を上げた。
嘘だろ…?仲間から「風の晶」と呼ばれる腕前のこの俺が失敗するなんて…
「イテテテ…悪かった!ちゃんと返すから、見逃してくれよ」
「……」
「…な~んてな!」
ードカッー
俺は侍の手が一瞬緩んだのを見計らうと、思い切り股間を蹴り上げた。
「ーつっ⁉︎この…小僧!」
「へへん!お大事に~」
俺はその場に蹲る侍を、馬鹿にする様に舌を出して見せると、軽快に走り出した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ふぅ…ここまで来れば安心だな」
俺は神社の裏にひっそりと身を隠すと、戦利品の金の入った巾着袋を握り締めながら呟いた…その時
「安心するのはまだ早いぞ…小僧」
ギラリと光る鋭い刃が俺の喉元を掠めた。
「ーつッッ!お前っいつの間に⁉︎」
思わず逃げ出そうとすると、背後から抱き締められる形で動きを封じ込められた。
コイツ…あの後追いかけて来たっていうのか?それに、全然気配を感じなかった…
「金は返してもらう」
「分かった!今度は本当に返すから、その物騒な刀仕舞ってくれ…頼む」
「駄目だ、また玉蹴りでもされてはかなわん」
チッ…読まれたか…
「糞っ…」
無意識にそう悪態をつくと、侍が俺の両腕を後ろ手に捻り上げた。
「っあ…いっ…うぁっ!」
関節が外れてしまうんじゃないかと思う程の痛みに、涙が滲んで来る…
「良い声だな…それに良く見るとその顔も、なかなかそそられる…」
コイツ…何言って…
「んんっっ⁉︎」
顎を取られ、侍の唇は荒々しく俺の唇を塞ぐと、ヌルリとした舌が、歯列を割り入り込んで来た。
冗談じゃねぇ…なんだってこんな…
ーガリッ!ー
俺は奴の唇に噛み付いたが、奴は怯む所か俺の着物をひん剥いた。
「つっ…!なっ…」
「往生際が悪いな。斬られたいのか…」
うっすらと血の滲んだ唇を吊り上げ、クク…と笑いながら鋭い眼光で見つめられれば、ここに来て初めて恐怖心に襲われガクガクと脚が震える…
が、奴は驚く程優しい手つきで俺の肌をまさぐり始めた…
「つっ…ん…お前…男色趣味…なのか?…何で俺なんだよ?男娼でも買えばいいだろう…っ」
そうだ…隠間茶屋にでも行けば、幾らでも綺麗に着飾った男娼がいるのに、こんな薄汚れた巾着切り(スリ)の俺なんか…
「俺は猫撫で声で擦り寄って来る様な男娼は嫌いだ…虫酸が走る。俺にはお前の様な活きが良いのが性に合う…観念して俺に抱かれろ」
奴は俺の耳朶にピチャリと舌を這わせながら囁いた。
「あっ…っ…ん」
嫌だ…嫌な筈なのに…力強く俺を抱きとめる腕の暖かさに、不覚にも心地良さを感じた…
幼い頃からいつだって一人…
人から蔑まれる事はあっても求められる事はだだの一度も無かった…
「…っん…あんた、名前は…?」
「瀬蔵だ…お前は?」
「ま…晶…っ」
「晶…何故泣いている?」
そうか…俺は泣いているのか?
「っ…何でもない…」
ーああ…俺はずっと、淋しかったのかもしれない…行きずりの浪人侍なんかの体温を求めてしまう程に…ー
ー終ー
【江戸言葉の言い回しとか、全く分からないので、見苦しい所もあるでしょうが萌えて頂けたら嬉しいです☆
ちなみに瀬蔵は、長髪で一つ結び、顔にキズとかあるイメージです…あれ?某漫画のあの方みたいですね(汗)】
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