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【医者×患者】②(郁Side)
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『夜の診察予約します♪』
そう言った順平に俺は…
『調子に乗るな!』
と、顔面に強烈な平手うちをお見舞いしてやった。
だって、大の大人が歯医者が苦手だなんて、それだけでも十分恥ずかしいのに、赤くなった顔の意味を順平に見抜かれてしまったんだ…こうやって、誤魔化してしまうしか無いじゃないか…
ーーーその日の夜ーーーー
「あ…あのー…郁さん?」
「何だ?」
「さっきから何か、俺避けられてる気がするんですけど…」
それはそうだ、避けてるんだから。
さっきから、リビングのソファーに座っている俺の隣りに順平が座れば、俺は席を立ち、立ち上がった俺を追って順平も立ち上がれば、俺は席に着く…と、いうやり取りを繰り返していた。
「気のせいじゃないか?」
しきりに俺の顔色を伺ってくる順平にあっさりとそう言って、読みかけの本へと視線を落とした。
すると順平がまた俺の隣りへと座って来たので、俺は再び席を立とうと腰を上げた…が
ーグイッー
「ーつっ⁉︎」
思いっきり腕を引かれてソファーへと引き戻されると、後ろから順平に抱き竦められてしまった。
「捕まえた…」
「放せ…っ」
「嫌です…ねぇ、そろそろ‘診察,始めませんか?」
耳元で低く囁かれ、鼓動が速くなる…
「キス…してもいいですか?」
「だ…駄目だっ」
「どうしてですか?もう歯は痛まないんですよね?それとも…俺の事、キスしたくないほど嫌いになったんですか?」
順平は抱き締める腕の力を少し緩めると、悲しそうにそう言った。
「違う!…そうじゃない…そうじゃなくて…」
「だったら、いいですよね?」
再び抱き締める腕に力を込めると、俺の顎を取り、半ば強引に口付けた…
「っ…んっ」
キスを拒む心とは裏腹に、あっさり進入を許してしまった順平の舌に、口の中を愛撫されて、身体中にゾクゾクと熱が走る…
「んん…っ…はぁっ」
「フフ…まだ口の中、薬の味しますね」
唇を放すと、順平はそう言って笑った。
「そら見ろ…だから嫌だって言ったんだ。ニガイ味のキスなんて、お前が不快なだけだろう…」
ニガクて…きっと、不味いだけだ…
「全く…あなたって人はそんな事気にしてたんですか」
ードサッ…ー
「っ…」
ソファーの上に組み敷いた俺を真直ぐ見つめて順平は…
「今日は、俺にとって郁さんの存在全てがどれだけ甘いのか…たっぷり教えて上げますから、覚悟して‘治療,して下さい…郁センセ…」
そう言った後、再びキスの雨を俺に降らせた…
歯医者なんて嫌いだ。機械の音はうるさいし、削るのは痛いし、薬はニガイ。
だけど…
キスの味は確かに甘かった。
ー続ー
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