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【お弁当】後輩×先輩(リーマン物)
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「佐々木くん、今日も彼女の手作り弁当?いいわね~」
昼休みにみんな社食やら外に昼食を取りに行く中、男で独身の俺が弁当を持って来れば、毎日女子社員のネタにされる…
「ははは…茶化さないで下さいよ」
本当は彼女じゃなくて、彼氏の手作りです…
しかも同じ会社の管理部の須崎先輩の手作りだって知ったら、度肝を抜かれるだろうなみんな…
もともとマメな先輩が俺の荒んだ食生活を見兼ねて弁当を作ってくれる様になって、今じゃ一緒に暮らす俺の恋人だ。
完全に俺の胃袋は須崎先輩に掴まれている…と、言っても過言じゃない。
「さて…」
今日のメニューは…
ーパカッー
「…………」
俺はわが目を疑った。蓋を開けた瞬間、俺の目に飛び込んで来たのは…
輝かしいほど真っ白な銀シャリ…の中央に陣取るは真っ赤な梅干し…
大袈裟な言い方をしてみたが、ようは絵に書いたような日の丸弁当(オカズ無し)だった。
「あら、何それ…佐々木くん、彼女とケンカでもしたの?」
弁当の中身を見て、女子社員にそう哀れみを込めたセリフを言われた。
「あははは…そうみたいです…」
ケンカ…
…そう言えば今日、朝起きたら先輩は先に家を出ていて、弁当だけがポツンとテーブルの上に置いてあった。
てっきり残ってた仕事を朝のうちに片付ける為に早く出て行ったとばかり…
「俺なんかしたかな?」
俺は昨日の事を思い出しながら日の丸弁当をかき込んだ…
休憩中、ケータイを鳴らしたが繋がらず、メールを打った。
【俺、何か怒らせる様な事しましたか?】
が、返事を待つより直接会いに行った方が早いと思い部屋を出た。
早足で廊下を歩いていると遠くに先輩の姿を見つけた。
「あの先輩…弁当の事なんですけど‼︎」
思わず大声でそう言いながら駆け寄ってしまい、辺りの視線が一斉に集まる…
「おまっ…バカ‼︎声がでかい」
辺りの視線が散ったのを確認すると、先輩は俺をトイレへと押し込んだ。
「すいません…あのっ…俺の事怒ってます?」
「あぁ」
「何でっ⁉︎」
「自分の胸に聞いてみろ…」
…………
「すいません。全然わかんないっス」
「コレ‼︎」
先輩はそう言うと、ネクタイを弛め、首筋の辺りを指さした…
よく見ると、不自然な絆創膏が貼ってある…
ービリッー
先輩がふてくされたように絆創膏を剥すと、紅い跡…見事なキスマークが現れた。
「それって…犯人俺ですか?」
「お前以外に誰がいるっていうんだ。酔っ払って帰って来たかと思ったら寝込み襲いやがって…」
あ…
そう言えば昨日…
ー回想ー
「だだいまかえりましたぁ~」
俺は契約会社のお偉いさんとの接待から、やっと解放された疲れを癒すべく、ベッドで眠る先輩に抱き付いた。
ーガバッー
「ん…ちょっ…重い…早くどけ…んんっ」
ーチュッ…ピチャー
唇に舌を差し込み絡め取ると、さっきまで眠っていた先輩は不意を突かれ、俺のキスをアッサリ受け入れた。
「ぷはっ…はぁっ…酒くせぇ…っお前…酔ってんな」
「酔ってましぇん」
「呂律回ってねーんだよ、バカっ」
身体ごと押さえ込んで、耳朶に舌を這わせる…
「っん…酔っ払いのくせに、何でこんな馬鹿力なんだよっ…あっ」
俺が耳に息を吹き掛ける度にピクピクと身体が跳ねる。
先輩…可愛い…
「聡…だいしゅき…」
先輩は俺に名前で呼ばれるのに弱いと分っていてそう呼んだ。たとえ酔っ払っていても、抜かりは無かった。
「ヤりかったら…風呂入って‘その匂い落としてからにしろ,っ…」
その匂いって…酒の匂い?
「えー…待てない…」
俺は先輩の首筋にキスを落とした。
「っあ…くそっ…その匂いマジでムカつくっ…」
ー回想終了ー
……………
確かこんな感じだった。
でも、何か違和感があるんだよな…
確かにキスマークは見える所に付けるな、とは日頃から言われてるけど、前に付けた時には弁当は普通だったし、そんなに怒るような事じゃない気がする…
そう思っていると隣りの女子トイレから女子社員の会話が聞こえて来た。
女子は声がでかいから丸聞こえだ…
『うわっ…マユミ香水つけすぎー』
『えーそうかな?いい匂いだし、いいじゃん』
『あんまり付け過ぎるといい匂い通り越して臭いって言われるよー』
香水…?
これは…もしかして…⁉︎
「あの…先輩?怒ってる理由って、本当にキスマークだけですか?」
「あ…あぁ。他に何が…」
絶対嘘だ。目泳いでるし…
「香水とか?」
ービクッ‼︎ー
一か八か試しに呟いた言葉を聞いて、先輩の身体が明らかに強張ったのが分かった。しかも、顔を真っ赤にして…
その反応を見て俺は確信した。
「先輩…」
ーグイッ‼︎ー
俺は先輩の手を掴むと、個室の中に連れ込んだ。
「ちょっ…何す…っ‼︎」
ーチュッー
小さく啄む様なキスをすると、先輩の身体を強く抱締めた。
「昨日はすいません。嫌でしたよね…たとえ仕事でも、キャバクラの女の香水の匂いが染み付いた俺に抱かれるの…」
「っ…///自惚れるな…ばーか」
ヤバい…これって、焼きもちだよな?先輩が?嬉しすぎる…
「先輩…」
背中に回した手で腰のラインを撫でながら、もう一度キスをしようとすると…
「これ以上やりやがったら明日も日の丸弁当だからな」
「う…それは…困ります…」
「だったらサッサと出るぞ、ホラ」
ーガチャー
個室から出た所で…
『そう言えば佐々木くんがさ~』
また隣りから女子の会話が聞こえて来た。しかも、どうやら俺の事話してる?
『彼女とケンカしたみたいよ~』
『え?マジで?』
『うん。今日彼女の手作り弁当持って来てたんだけど、日の丸弁当だったもん…マジうけた~』
『へぇ~じゃあ私が弁当作って来て、奪っちゃおうかな~♪』
『あーあんた入社の時から佐々木くん狙ってたもんね~』
…………
「あはははは…女子はなに言ってんスかねー…先輩?」
怖ぇ…先輩の方振り向けねぇ…
「もう…今度から、弁当無しな」
「え⁉︎そんな…」
「俺じゃなくても作ってくれる女子社員がいるなら、いらねーだろ」
すいません、こんな時に不謹慎ですが、膨れっ面の先輩可愛過ぎです…
「いやいや要ります‼︎もう俺の身体は先輩の弁当がないと生きていけない身体に…って先輩…待っ」
「フンッ…」
まだ先輩の機嫌は治りそうにない…
でも…
次の日の弁当はいつにも増して豪華だった。
「あら、佐々木くん…今日は昨日とはえらい違いねー」
「ええ…愛されてますから♪」
その日、女子トイレでは『やっぱり佐々木は彼女とラブラブだ』という噂がされたとか、されなかったとか…
―end―
リーマン、ヘタレ年下攻、ツンデレ受、個人的萌え要素満載で書いてみました(^-^)
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