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09
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──肌を撫でる冷たい風と、木々のざわめき。
窓を開けっ放しにしておいたことに気づき、リオはふっと瞼を上げた。
ぼんやりと目に映るのは、ほのかなランプの明かりと、漂うのは、油のにおい。
…あれ…?
おれ…灯り…つけたっけ…?
「ん…」
目をこすり、体を揺らす。
はっきりしない頭を何とかしようと腕に力を入れると、まるでベッドに引き寄せられるように、ぽすんと戻ってしまった。
起き上がれない──まるで、体が鉛みたいに重い。
自分の異変に気づき、途端にリオは夢から覚めた。
その時、
「おっと、ようやくお目覚めか」
どこからか見知らぬ声が響き、リオはびくっとして顔を向けた。
そこには、知らない男が二人居た。一人はとても体格が良く、リオを見てニヤニヤ笑っている。
もう一人は窓辺に椅子を持って行き、そこで瓶ごと酒をあおっている。痩せているが、手足が長く、とても背が高い。
誰…?
リオは一瞬そう思ったが、すぐにそれが今夜の客だと気づき、慌てて起き上がろうとした。
「あ…っ…あ…!ごめ…な…さ…い…!」
やっとの思いで出した声は、あまりにも擦れ、呂律も回っていなかった。
目の前がぐらぐらする。ベッドの上でもがくリオを見て、体格のいい男がげらげらと笑った。
「ははっ、こんなボロ宿、どうやって経営してるのかと思えば…なぁーる、こういうことかぁ」
そしてベッドに近くなり、リオの腕を引っ張り上げた。
何を言っているのかわからない。リオは朦朧とする頭を、必死に横に振る。
「ごめ…なさい…!すぐ…出ていきます…から…!」
「そりゃねぇーよ、お嬢ちゃん。別料金入りようってんなら、さっきたんまり稼いで来たばっかりだ。言ってみろ、いくら欲しい?」
リオの横に腰かけ、男は厭らしい笑みを浮かべる。
何を言っているのかわからない…──でも、怖い。すごく怖い。
「ち…ちが…あの…あの…」
リオは押しつぶされそうな恐怖を感じながらも、目の前に居る男の、逞しい首筋に釘付けになっていた。
──人間が、こんなに近くに居る。
それだけでも渇ききったリオにはたまらないというのに、この二人の男は、血の匂いをぷんぷんさせていた。
「物欲しそうな顔してんなぁ」
渇望と葛藤の中で必死に意識を保とうとしているリオを見て、男は全く的外れなことを言う。
そしてリオの肩をトンと押し、ベッドに押し倒した。
「ふぁ…あ…っ」
リオは何とか逃れようともがくが、伸ばした手は男に握られ、指先に唇を当てられる。
ぞわっと悪寒が体を走った。慌てて逆方向へ逃げようとしたが、もう一人の痩せた男が、いつの間にか逆からリオを覗き込んでいた。
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