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舞い散る桜を眺めながら長い並木道を通ると見慣れた私立琳瑶学園が見えてくる。
此処は所謂お金持ち学園で広大な土地に幼稚園から大学まで建てられている。
ちなみに高校までは男子校だ。
言うまでもなく学費はバカにならないから、
通ってるみんなは坊ちゃんばかり。
それに幼稚園から高校まで男子しかいない環境に身を置かれると同性カップルも普通になるもんでむしろノーマルの方が珍しいくらいだ。
婚約者がいる人もいるけど。
大嫌いな長期休みが明けて学校に行けるのは嬉しいけど車の窓から見える景色にちょっとだけ気分が滅入る…
「「伊織様のお車だ!」」
「キャー!朝からお会いできるなんて!」
……ここって女子校だっけみんなどこから声だしてんだろ
ガチャ
「伊織様行ってらっしゃいませ。
体調にはくれぐれもお気をつけて。」
「うん、行ってきます傑(すぐる)」
「それでは」
綺麗なお辞儀をひとつして鞄を渡してくれる彼は有栖家、俺専属の執事だ。
あまり表情豊かではないけどいい人。
──────────────────
かなり絶望的な展開と言えようか。
自分よりもはるかに背の高い人たちに一瞬で囲まれてしまった
送り出されてから一歩も前に進めていない。
「伊織様休みの間はなにをなされていたのですか?」
「これ今日手作りしたんです受け取って下さい」
「俺と付き合って下さい!」
「あの…えっと、、」
相変わらずこのみんな一斉に喋りだす環境には慣れないな…どうしよう
それに大人数に囲まれるのは得意じゃない。
勝手に体が固まって動けなくなてしまうから。
「伊織」
この声って。
懇願するように振り返ってみると人混みの中から懐かしい顔の幼馴染みが立っていた
「柊!」
「おはよう伊織、今日は顔色良さそうだね。
でも少し寝不足気味かな」
「ふふ、柊くすぐったいよ」
優しく撫でてくる手に思わずすり寄ってしまう
「ーそれに少し痩せてしまったね…」
悲しそうに頬に触れる柊にまた心配させたかなと申し訳なくなる
「…大丈夫だよもう学校始まったしまた勝手に増えるから」
「そうだね」
少し笑顔が戻ると俺の手を引いてくれた
「みんなごめんそこ通してくれるかな」
「「ぁっはい!!柊様どうぞ」」
「ありがとう」
みんな柊に見惚れちゃってる。そりゃそうだよね180超える身長に精悍な顔つき、学校で一二位を争う美形さんだから。
「伊織行こうか」
「うん、柊が来てくれて助かったよー。どうなるかと思った」
「車からおりたらすごい人の塊が見えて、行ってみたら案の定困り果てた顔で硬直してる伊織がいたからね」
「だって…みんなすごい勢いなんだもん」
あれは誰でもビビると思う。
「まあ仕方ないよ俺たちは一般生徒とは違うし」
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