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* Scent.1 *
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狂おしいほどの快楽を叩きつけられた後でも、瑛智に触れられると身体は否応なく反応して、その手を求めてしまう。
立花が身じろぐと、腰帯だけで留められていた一枚の布は、ばさりと音を立てて床に落ちた。
「気持ちよくしてもらった、だろう? 立花のおかげでプロジェクトの首尾も上々だ。引き続き、仁居先生の意向には必ず添うようにしなさい」
「はい……ん、ん……っ」
緩く勃ち上がった性器を瑛智は指先で擦りながら、パッドに映し出された顧客の名前を確認している。
全て立花を買った男だ。先程、立花を無理矢理番にしようとした一人の名前を、躊躇いもなく消去した。
自身の利益にならないものを即座に切り捨てる冷酷さを、立花は幾度となく目にしている。
逆らえば身内であろうと、こうやって処分されるのだろう。
番関係のないフリーのオメガは希少価値が高い。相手を選ばず誰とでも寝られるからだ。
瑛智が懇意にしている仁居は、国立大学病院の理事であり自身も医師免許を所持している。
近々、大学病院の敷地を貸し付けるための公募が行われる予定で、実質的な経営者である仁居が決定権を握っている。
条件や基準は公表されていないが、すでに水面下では数十億単位の金が動いているのだ。
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