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* Scent.2 *
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「えっと……嫌な思いさせて、ごめんね」
「何で立花さんが謝るんですか。立花さんって、僕より年上なのに気を遣い過ぎなところありますよね。……あ、もちろんいい意味ですけど、ちょっと悪い意味も入ってます」
「え……ど、どっちなの」
「どっちもですー」と二葉は唇を尖らせて言う。
やっぱりよく思われてないのだろうかと思案するも、また表情で見抜かれてしまった。
「じゃあ、僕がいない間の進展を聞かせてください。涼風さんとはどうなりました?」
「どうなりなりました、って……。別に、いつも通りだよ」
「本当ですかぁ? 何か隠してません?」
「うーん……進展かは分からないけど、コーヒーの他にお菓子を買ってくれたことくらいかな」
──食べてくれてるといいけど。
そして今日が、涼風がまた来てくれれば、立花がつくったカップケーキの感想を聞かせてくれる。
何でもないように白状したけれど、本当は気になって眠れないくらいには返事の中身を気にしている。
「すごい進展じゃないですか!? 手作り料理まで食べさせたんですねっ」
二葉の大袈裟な反応で、立花の頬にぽっと赤みが差す。
手作り料理なんて大層なものでもないのに。
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