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* Scent.4 *
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立花の身体を心配している訳ではない。
瑛智は立花とのセックスに値段をつけて、それを欲しがるアルファに売っている。
金を生んでくれるものになら、そのための投資や手間は惜しまない。
価値のある立花をただで使われたと知ったなら、瑛智は腹を立てるだろう。
「立花君のご両親には本当のことは言えなかった。突発的な発情期に、俺が巻き込まれた話になってる。もし立花君が望むなら、俺から真実を……」
「そうしていただいて助かりました。僕も叔父さんにはセックスはしていないと言っています」
瑛智のことを立花の父だと思い込んでいた涼風は、叔父という言葉に反応する。
複雑な家族関係を話すつもりはなかった。うっかり漏らした自分に嫌気がさす。
──ヒート状態のアルファと、発情期のオメガが密室にいれば……もう、叔父さんには知られているんだろうけれど。
いつだって瑛智の手のひらの上で転がされているような感覚がつきまとい、四肢の先まで支配されている。
身寄りのないオメガは1人きりでは生きられないから、落とされないように必死だった。
降りてきた沈黙に、これ以上知らない情報も進展もないと分かり、立花はすぐ隣のドアを引いて出ていこうとした。
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