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* Scent.4 *
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言葉足らずでいつも損をしているから、頑張ってせめて嫌われないように上手く立ち回っていたつもりなのに。
本当は幸せそうな二葉を内心見下していたから、こうして陰口を叩かれるのも当然の報いなのかもしれない。
「お疲れさまですー」
休憩室は立花がいる場所と反対側にもう1つ扉がある。
遠回りするのを面倒くさがっている二葉は、いつも店の表のカウンターを通り休憩室へ入る。
いよいよ入室するタイミングを見失ってしまい、立花は1度出直そうかと考えた。
「あっ、お疲れさま。真白君。まだちょっと早いんじゃない? いつも偉いわね」
先程までの陰湿な話題は引っ込めて、お気に入りの二葉を出迎える。
「立花さん、今日からですよね? いろいろ話したくて早く来たんですけど……体調、大丈夫かな」
──どうせそういうのも全部、上部だけのくせに。
自分はそんな優しさに簡単に騙された。家族だった人にも、家族になろうと言ってくれた人にも。
「真白君はちゃんと3ヶ月ごとでお休み取っているのに。人によって体質も変わるし、仕方ないとは思っているんだけどね。それでも包海さんって……自己管理がなってないのよね」
「真白君、この前すごく謝っていたでしょう? 包海さんに何か意地悪されてるんじゃないかって心配で。辛く当たられてない?」
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