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* Scent.4 *
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「わあ! 立花君すっごく可愛いっ。明るい色の服のほうが似合ってる。何着ても似合うなぁ。羨ましい」
「本当ですか。おかしくないなら……よかったです」
「真下。それは俺が言おうとしてたんだよ」
涼風の後ろからひょこっと顔を出した真下に、格好を褒められて赤面する。
涼風も真下の感想に同意らしく、台詞を先取りされて不服そうにしていた。
──似合ってる、って直接聞きたかったな。
似合っているかどうかと涼風の好みは違うのかもしれないけれど、頑張って選んだものを褒められるのは嬉しい。
想像が膨らむと、頬の赤みがだんだんと増すような気がして、立花は手のひらで自分の頬を叩いた。
「どうしたの。立花君……?」
「いっぱい飲むぞ、って気合いを入れました」
もちろん本当のことを言える訳もなく、立花は苦しい言い訳で誤魔化した。
「立花君って意外と天然?」と質問されたから、ちょっと悲しい勘違いをされている気もする。
幹事の真下が予約してくれた居酒屋は、団体が一室の座敷に入れるようになっていて、1人分のスペースがかなり広めだ。
場所へ向かう途中にも、「新しいゼミの子?」と聞かれて返事に困っていると、真下が後で紹介するから、とフォローしてくれた。
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