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* Scent.4 *
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「……家の近くまで送るよ。タクシーで運んでもらうのも、ちょっと心配だから」
「う……何でぇ……? なんで、さっき、似合ってるって言ってくれなかったんですかぁ……? 涼風さんのために、選んだ服なのに……」
まるで噛み合わない会話に涼風は苦笑しながら、立花の言うことを肯定したり、短い返事で誤魔化す。
それでも新しく買った服についての感想を、吐き出させるまで絡むのを止めない。
「似合ってるよ。働いてるときのエプロン姿も好きだけど、私服姿の立花君も素敵だ」
「えへへ……涼風さんに褒められた……やったぁ」
赤ら顔をふにゃりとだらしない表情に変えると、立花は涼風の腕へより密着する。
レモンイエローの薄手のニットとリネン生地のコットンパンツは、いつものようなきっちりとした黒地の仕事着とは対照的に、緩いシルエットでつくられていて、そのギャップが涼風には好評だった。
「白衣の涼風さんも格好よかったんですけど……いつもの涼風さんも、好き」
「え……? あ、ありがとう……」
染まる頰に負けないくらいに、涼風の首筋も熱をもって赤くなる。
狼狽える涼風がおかしくて、立花はくすくすと笑った。
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