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* Scent.4 *
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「や……っ。くる……い、や……もう、はなして……! イっちゃう、からっ」
ベッドから腰が浮いて、小刻みに揺れる。先端を尖らせた舌の先でなぞられると、堪え続けることなんて出来なかった。
遡る熱を感じながら、それを涼風の口内へと放った。
絶頂に浸る間もなく、喉が上下に動きさらに音を立てて啜る様子を目の当たりにして、立花は熱の籠った頰をシーツに押しつけた。
「離して、って言ったのに……」
不満げにそう呟いた裏で、内心は動揺していた。相手に奉仕をさせられた経験はあっても、されたのは初めてだったからだ。
自分では数年かかって稼ぐような額を、立花を抱くアルファ達はたった一夜のために支払う。
自分の値段を知ったところで、サービスの質を上げようとは一ミリも思わなかった。
気持ちを伴う今の行為のほうが緊張して、怖いくらいだった。
「ごめん。可愛かったから。立花君の全部が可愛い」
期待していなかった言葉で、立花は顔を赤くする。
見つめ返した瞳が、オメガを求める欲に濡れていてぞわり、と形容しがたい感覚が襲う。
甘く優しい台詞とは裏腹の、隠しきれない獰猛さを感じ取って、全身がぞくぞくと震える。
身体のラインをなぞる涼風の手を、焦れったくなって追いかけていくと、手の甲が濡れていることに気づく。
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