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* Scent.5 *
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……────。
「やっと入れましたね。お腹空き過ぎて服見てる間ずっと鳴りっ放しでした」
列に並んでいる間に注文を決めていた二葉は、メニューに目も通さずに店員を捕まえてオーダーを告げる。
ずっと迷うだけで結局決められなかった立花は慌てて、二葉と同じ日替わりのランチプレートを頼んだ。
「買い物付き合ったから全部聞かせてくださいね。あ、涼風さんの研究室に行ったところからですよ」
「うん……ちゃんと話すから」
爛々と瞳を輝かせてテーブルに身を乗り出す二葉に、立花はさっきからろくに視線を合わせられずにいる。
飲み会で潰れて涼風に介抱され、そのまま情事にもつれ込んだが、その後は気まずい雰囲気にも仲にもならなかった。
ここ数日は立花のシフトが休みだったり、涼風が来ていない日が重なって大学で会えていなくても、必ずメッセージをやり取りしている。
動く絵文字が涼風の印象とはミスマッチで、そこが立花の胸がきゅんとなるツボだったりする。
──早く、会いたいな……。
1日の間に何度も送られてきたメッセージを開いては、気持ちが募っていく。
会うとなったら今まで気にしたことのなかった自分の服装が気になり出して仕方がなかった。
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