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* Scent.5 *
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涼風には知られていないと信じたい。
こうして距離を縮めてくれているのだから、涼風は何も知らないはずだ。
運ばれてきた数種類のタパスの味を早速楽しみながら、立花は飲み会での話をする。
どうやって涼風の家に行ったのか、というところは仔細に聞かれたが、酔っていて記憶がなかったので、成り行きで、としか言えない。
「へぇ……涼風さんって見た目草食系だけど、やるときはやるんですね。進展なくてこっちまでやきもきしてましたよ」
二葉は年上相手でもずばずばと容赦ない。
生ハムとポテトサラダがのった輪切りのバゲットを口にしながら、よかったですね、と祝ってくれる。
立花もアボカドとドライトマトを和えたものを食べる。
ハーブとマヨネーズの風味がよく利いていて美味しい。
「お持ち帰りなんて、大胆に出ましたね。番にはなったんですか?」
「ううん。そんな、まだ早いと思う」
ここでは言えないこともしたんだと見透かされていて、立花は顔を赤くした。
「二葉君こそ、気になっている人とかいないの?」
質問されるばかりだったから、逆に立花のほうから聞いてみた。
話の内容は何でもよかったのだけれど、さっきまでの流れを切らないような質問をする。
「何で、いきなりそんなことを聞くんですか」
「……えっ?」
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