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* Scent.5 *
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3ヶ月に1度、本来ならば番のいないオメガは強い抑制剤を服用して、1週間の間とてつもない飢えを凌ぐ。
この発情期が厄介で、薬で上手くコントロール出来るオメガもいるが、そうでない者もいる。
立花は後者のほうで、発情期には知らないアルファ達が自分を抱きに来る。
そうやって一時的にパートナーを見つけて、発情期を越えるオメガもいるが、アルファとのセックスに立花の意思はなかった。
「そうか。待ち遠しいね。そのときに君を番にしようと考えている」
「……え? す、すみません……。それは、急なお話で……」
──番……? ただセックスをするだけではなくて……。
仁居は立花の気持ちを聞き出す素振りもせずに、話を続ける。
番になる、なんて今の今まで仁居の口からは聞いた記憶がなかった。
「オメガは神秘的な生き物だ。男のオメガは自ら子を成すことも出来るが、つくることも出来る」
パートナーとしてではなくて、まるで被検体として選ばれたような気分だった。
番という単語が頭の中でぐるぐると回っている。
嫌だ、拒絶したい……逃げたい。
皮肉にもオメガの身体は「番にしたい」という言葉を嫌悪していないのだ。
中心に熱が集中するのを感じて、立花は落ち着かない様子でもぞもぞと身体を動かした。
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