アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
* Scent.7 *
-
立花が出来ることといえば、涼風が体調を崩さないように栄養の摂れる料理をつくったり、掃除や買い物などの雑用をするだけだ。
涼風には「助かっているし感謝してる」とは言われるけれど、直接彼の助けになれないのが歯痒い。
噛まれたことで発情期のない日々を迎えても、涼風は立花を愛してくれている。
時たま激しく求められるときもあって、多分、研究が上手くいってないのだろう、と立花も分かっていた。
当然翌日の朝は満足に身体を動かせなくなるので、涼風に世話をしてもらう。
料理の腕に関してははっきり言って立花のほうが上手くて、それは涼風自身も自覚しているようで。
大学へ進学してからの6年間、1度も買い換えたことがないと言っていた調理器具が、新品同様にぴかぴかしている理由が分かった気がする。
立花の前で朝食のために焼いたベーコンエッグを焦がして以来、眠っている隙に涼風はテイクアウトで子洒落たデリを買ってくるようになった。
立花に格好悪いところを見せたくないのだろうが、そういう可愛らしい欠点も含めて愛しくて好きだ。
「全然……知らなかった。なんで、言ってくれなかったんですか」
「僕も、最近になって話をされたから。ごめんね……今日から引き継ぎでいろいろ教えるね」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
194 / 263