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11-7.甘え
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朝、僕は蓮夏のベッドから体を起こした。まだぼんやりとする頭で目を擦ると、咲太、と隣から声がかかる。
「蓮夏」
そうだった、昨日僕は蓮夏とー
「……ご、ごめんね、昨日、結局出来なくて…」
…蓮夏とひとつになろうとして、失敗に終わったのだった。だって、本当に…あのままやってたら僕のおしりは死んでいた気がする…。
「いいよ。最初はかなり痛いしね。」
ううっやっぱり…!!!?
「俺たちのペースでやればいい。当分俺が毎日咲太のアナを指で慣らしてあげるから、出来そうな時が来ればやればいい」
あ、あああなを、ゆびでならす……?
「なんか蓮夏、…こういうの詳しいんだね」
「え」
「も、もももしかして、蓮夏は…えっちなの…?」
ああ、僕は朝から何を聞いているんだろう。蓮夏のベッドの上に座りながら蓮夏の布団を口元に近づけ少しだけ赤い顔を隠す。すると、ぎゅうっと横から蓮夏に体を抱き締められた。
「…っは、はっかっ?」
蓮夏に全身を包まれている。…それだけでなんて幸せなんだろうと感じてしまう。
「そうだな、…咲太にだけはそうかもしれない」
俯く僕の顔の前にドアップで蓮夏の怪しげな笑んだ顔が映る。ほんとに我ながら、心臓に悪い兄だな…まったくもう…。
「…そんな言葉に騙されないから」
うん、そうだ。そもそもこんな言葉ほかの色んな人に今までだって何度も囁いてきた言葉かもしれないし…。
「疑うの?」
「…蓮夏は寄ってくる人たくさんいるもん、他の人にも同じようなことたくさんしてきたんでしょ、」
なんか考えてきたらムカついてきた…
「…僕もう起きるっ!」
蓮夏の胸を押し返してベッドから降りようとすると、すぐに腕を蓮夏の手に掴まれて僕はベッドの上にぺたんと座り込む。
「…咲太、嫉妬してるのか?」
蓮夏に囁かれた問いにかっと頬に熱があがる。
「ちがうっ!蓮夏はサイテーなひとだなってちょっと思っただけ…っ!」
そう言い終わったあとに僕は自分の口を手で塞ぐ。僕今、なんて言った…?
すると、蓮夏が僕の頭を自分の胸に引き寄せる。そして、
「…ごめん。」
……なんで、蓮夏が謝るの。
僕は蓮夏に甘えてる。なんでもいつでも、蓮夏が悪いことにして、蓮夏に、自分にとって欲しい言葉を言わせようとする。…多分無意識に。蓮夏は僕に絶対、悲しい台詞なんて紡がない。僕はそれを、知っているから…。
「ちょっと、…出てくる」
頭を冷やしてこよう。それに、お兄ちゃんとも会ってこないと。…やっぱり蓮夏の傍にいたいとこうして来てしまったけれど、お兄ちゃんに何も説明していないし…。ベッドから降りると、再び腕を掴まれた。振り返ると、どこか不安そうな蓮夏の表情。
「…どこに?」
「…お兄ちゃんに会ってくるだけだよ。僕は蓮夏の傍にいたいって、ちゃんとお兄ちゃんに言ってこなきゃ」
「なら俺もー」
「大丈夫だよ。お兄ちゃん、きっとわかってくれるから。少しだけ待ってて、蓮夏」
すぐに戻るから。
僕はそう言い残すと、蓮夏の部屋をあとにした。
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