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青春の18才
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アーヌ帝国は夜景の名所として有名だ。
それは30万人の人口を抱える首都の明かりによってであり、吟遊詩人達はまるで宝石箱をひっくり返したようであると歌った。
その光景を首都の一番高い建物である皇城からフォルダムは見ていた。
目の前に広がる夜でもキラキラとした輝きに、発展し続ける帝国と自国との差を痛感した。
「綺麗だな…」
ホールから陽気な音楽が聞こえてくる。
フォルダムはセザンヌ王国の一員として皇帝の誕生日を祝う祝賀会に参加していたが、バルコニーで夜風に当たっていた。
国王や第一王子ならともかく、四番目の王子であるフォルダムにはこういった場所では人の目につかない方だった。
自国とは違うその待遇にショックを受けていたのは、昔の話で今は本当に仲の良い友人とだけ話していればいいことに安心している。
国に帰ったら何をしようかと、明かりを見ていると後ろに人の気配を感じた。
目上の人間だったら挨拶をせねばならないと後ろを振り返るとそこには自分の背丈の半分ぐらいしかない小さな男の子がいた。
しかしフォルダムは彼を知っていた。
挨拶をしなければならないと思い身を屈めると先に彼に手を掴まれた。
「王子様!」
それが私の番との出会いだった。
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