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翌日は決められていた日程道理、セザンヌの移住者達に会い、大使の邸宅を訪れていた。
遅い昼食を囲みながら、帝国との関係について話をするのは有意義な時間だった。
「時に、次の皇帝がどうなるのか…大使はどう考えている?」
国王の言葉に空気が変わった。
齢50になる皇帝はこれからいつ、何があるか分からない。
それにアーヌの皇位継承は長子相続ではなく、皇帝の指名制によって行われるのだが、未だ皇太子は決まっていなかった。
「今上陛下は、第八皇子を寵愛していると聞いてはいるが…」
「…いいえ陛下。その可能性は低いでしょう」
大使は淀みなく答えた。
「第八皇子の母親は、ただの舞姫だとこの帝国では皆が知っております。国内の名門貴族出身である母親を持つ他の皇子様方と比べると…それに、私の見た限りですが第八皇子に君主としての教育を施しているとは、思えませんでした」
「そうか…確かに昨夜少しお見かけしたが、皇太子候補というには少し…フォルダムはどう思った?」
昨夜俺が第八皇子に会ったことはホールに戻った時に父上に報告してある。
懇意になったことは褒めれたが、侍女がいたとはいえ2人きりで会っていたのには忠告された。
『相手が立場が上なのだ。もし何かあったとして不利なのは我らだ。常にそれをわきまえなさい』
………
「私も、ただの自由奔放な皇子殿下に見えました」
「そうか。ならば次に候補として有力なのは………」
グラスを口に含みながら、かの皇子の事を考える。
もし、俺が彼の立場に生まれていたらもっと違う毎日を送れたのだろうか…
その日の夕方、宿泊していた宿に『皇城に参内せよ』との皇帝の一報が来た。
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