アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
29
-
美玲side
あの後、2人でベッドに入って何もせずにただ寄り添った。
翔太はすぐに寝たけど私はすぐに寝れなくて…
色んなこと考えた。
…泣くなんて久しぶりだな。
私が思うより翔太の存在が大きくなってた。
同じ道を歩む未来を思い馳せるほどにはきっと…。
_もう明日で終わるこの関係。
もっと一緒に居たかったな。
あの日…翔太の家に行った日。
最初は全然似てない兄弟だなって思ってたけど、私が翔太と関係のある人って分かってから泣きそうな顔してた。
弟として兄を取られたのが悔しいのかもって思ったけど、ここは女の勘かな?
多分、翔太のこと好きなんだって思った。
性別なんて気にならなかった。
それにここに住んでるってことは翔太に同棲を認められた関係…。
その時点で私に勝ち目なんてなかった。
そうたくんの頭を撫でたのは少しでも…そうたくんより上をいきたかったから…
私の方が心広いのよって無意識にマウント取ってた。
嫌な女だなー私。
約束したのだって翔太を縛り付けたかったから。
約束がある以上、翔太は私の一緒に居てくれるって。
だけど…思った。
このまま翔太とそうたくんの関係が終わって、もし私との付き合いが一生モノになった時私は後悔するんじゃないかって。
あの子は…傷ついたまま誰を憎めばいいのかも分からないまま、生きていくしかないんじゃないかって…。
そうさせたのは私自身じゃ…って。
だから今日、翔太の背中を押した。
だけど……本音を言うなら帰って欲しくなかった。
もし私が背中を押したことで2人の間にあったひび割れが修復したら…?
そう思うと翔太を見送ったあと何度も不安に襲われた…
ねえ、翔太。
今日チャイム鳴る前にドア開いたでしょ?
ちょっと不思議がってたね笑
本当はね、不安だったんだ。
もしかしたら来ないかもしれないって。
だから家の前に足音が聞こえたら毎回ドア開けてたの。
サラリーマンとかOLさんとか色んな人と間違えたなぁ笑
ドアを開けて翔太の顔が見えた時、笑顔で迎え入れたけどちょっとね…泣きそうだったよ。
ああ、私のところに帰ってきてくれたって。
まだ私は翔太の帰る場所なんだって。
覚悟を決めた顔…かっこよかったな。
今まで見てきた中で1番かっこよかったよ。
何を言われるのかは大体予想はついてたけどね、、
多分、このままそうたくんと別れて私と付き合い続けても翔太はずっと引きづる。
いつまでも罪の意識が消えないまま。
なら、私からさよならを言わなきゃ。
それに、結局私も自分の過去を翔太に言えなかった。
家族以外でこんなに信用出来たのは翔太が初めてだったけど…話す気にはなれなかった。
それって心の底から信頼できてなかった…ってことでしょう?
初恋は実らないからいつまでも思い出に残るってよく言うけどさ…実る初恋だってあっていいと思うよ。
翔太とそうたくんは幸せになるべきなんだよ。
翔太はそうたくんじゃなきゃ駄目だし、そうたくんは翔太じゃなきゃ駄目。
なんとなくだけどそんな気がする。
その点私は、翔太じゃなくたっていいもんね!
翔太じゃなくたっていつか他の誰かと幸せになってやるんだから。
「がんばれ翔太」
私は翔太を応援するよ。
復縁したらそうたくんのこと私にも詳しく紹介してね?
「あー明日何しよっかな〜!!…最後くらい楽しまなきゃね。おやすみ」
おでこに軽くキスを落とす。
chu_
リップ音は夜の静けさに消えた。
_だけど…だけどね、私がこんなに本気で好きになれたのは翔太が初めてだよ…
「…なんてね」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
35 / 102