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第3章–1 クールビズ始まります
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田口が配属されて、早四か月が経とうとしていた。
梅雨の時期も過ぎて、身体的には楽になるかと思いきや。
今年の夏は猛暑らしい。
6月になったばかりなのに、猛暑が続いているのは異常だ。
市役所は、作りが古い。
クーラーなんてかけても、ちっとも涼しくなる訳がない。
梅沢の夏は、じめじめして湿度が高く、不快指数マックスだ。
そんな中。
クールビズなるものが開始された。
出かける前。
田口は鏡の前でため息を吐く。
自分の大好きなネクタイがないのだ。
不安。
不安すぎる。
室温を高めに設定し、環境に配慮する代わりに、職員の服装は軽装にするというものらしい。
「誰がこんなことを考えたんだよ……」
いつもあるものがないのは不安。
かっちりが好きな彼が、シャツの上ボタンを外すなんてありえない。
だけど、外さないと昭和の小生みたいで、なんだかみすぼらしい。
大きくため息を吐いて、シャツのボタンを一つ外した。
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