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第3章–12 生贄
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田口は、慌てて部署に戻る。
「係長、明日退院だそうです」
田口の声に、一同は喜びの声を上げた。
「一週間は自宅療養予定だそうですが、」
「係長のことだから」
「きっと」
「来ますよね?!」
みんなは、同じことを考えていたらしい。
「それじゃ、必死に仕事しないとやばい!」
「間に合わないぞ」
「あの、後」
「え?」
言いにくそうに、田口は付け加える。
「書類の説明におれが来いと言われました」
三人は、気の毒そうに田口を見る。
「お前」
「きっと局長の逆鱗に触れたんだ」
「係長いないから、いじる相手いないからな」
「生贄だな」
「……すみません」
盛り上がった部署は一気に寂しげな雰囲気に盛り下がった。
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