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苦しい。
思い出すだけで苦しくて辛くて。
これってまだ好きなのかな…
でももう"好き"っていう感情自体よくわからない。
「なんで好きになったんだ?」
「え…なんでって…言われても…」
「…本当に好きだったのか?」
「と、当時は好きだった!」
「どこが?」
「……横顔が綺麗だった…から…」
「は?顔?」
そうじゃなくて。
「なんか…いっつも同じ場所のテーブルと椅子がある所にいて…頬杖ついて…ぼーっとしてて…」
「ほう。」
大体下校時間に見かけたから
夕日にその顔が照らされてて…
当時の風景が蘇る。
「強そうなやつなのに、なんか色々抱えてそうで…弱そうで……だから、知りたくなって…」
「ふーん。」
「話してたら一緒に笑ってくれて…かっこよくて…優しくて…だから…かな…。あといい匂いもしたなぁ…」
辛いのと恥ずかしいのと
両方に襲われる不思議な感覚になった。
話していると禅の視線はこちらに移り
じーっと俺を見てる。
「へー。そいつとは付き合わなかったのか。」
「付き合いたかったよ…俺だって…。でもあいつ…」
あいつが俺を置いていった。
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