アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
91
-
またいつも通り仕事終わりに予約していた美容室に来る。
と、先輩はいつもとは全く違う顔になっていた。
今までなかった顔。
…怒ってる?
何度もこの美容室を利用して
なんとか後輩としての存在は認知してもらえるようになった。
接客中は特に顔色を変えることはないのに
僕がいる隣のセット面で
別のお客さんをカットしているのに
ずっと心ここに在らずというか
目に光がないというか…
横目で見ていつもと違う先輩の表情が確認できる。
ギリッ…と、歯と歯が擦れる音が聞こえた気がした。
「あの…三上先輩って…何かあったんですか?」
「んー…朝までは普通だったんですけど、途中からずっとあの調子で…」
担当してくれている店長も困った様子でそう言った。
「失礼します。ドリンクはどれになさいますか?」
「あ、ホットココアでお願いします。」
うーん。と考えていると
横から現れたのは海崎先輩。
この人さえいなければな…とつい思ってしまう。
まぁ…いなかったところで僕に興味が湧くわけでもないんだろうけど。
海崎先輩も綺麗な顔をしてる。
というより、可愛い系?
「お待たせしました。…失礼します。」
ココアを置く瞬間、左の肩辺り…
服が少し浮いてチラッと見えた。
…………あ、これか。
首の根元についていたキスマーク。
これのせいでご立腹ってわけね。
いや…25…にもなってキスマークって…
やれやれ、と呆れてしまった。
僕は周りの人の顔色を伺う癖というか…そういうのがあるから
よく人間観察もしてるんだけど
海崎先輩、かなり雰囲気変わったもんな。
今は幸せそうというか…。
海崎先輩が幸せそうになっていくのに対して
三上先輩はどんどん不満そうな
怒ったような顔になっていってる。
前よりも笑い声が聞こえる回数が減ったような?
そんな気がする。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
92 / 196