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「そんな顔するくらいなら、告白すればいいじゃないですか。」
会計を済ませた後、扉を開けてくれている三上先輩に向かってそう言った。
はっと、少し驚いた顔をしたと思ったら
また暗い顔になっていくのがわかった。
「…したよ。」
「………。ねぇ、先輩。この後ご飯でもどうですか?もう仕事終わりますよね?」
「まぁいいけど…」
明らかにいつもとは違う口調と声色、そして表情。
普段ならこんな誘いきっと断るんだろうけど
流石に限界なのかな?
「じゃあ僕、あそこの本屋で待ってますんで。」
そう言い残し
店を出てすぐ近くにある本屋の中へ入った。
それから約1時間後。
来ない。
"見慣れた雑誌"を手に取り
それを見ながら待っていたけど
なかなか来ない。
もしかして帰った?
この本屋も割と遅くまでやっている方だけど
もう閉店時間。
仕方なしに僕は本屋の外にあるベンチに腰掛けた。
寒い。
冬の寒さが大して肉のついていない体に容赦なく刺さる。
まぁ……三上先輩が興味があるのはほんとに海崎先輩だけってことかな。
目の前を通り過ぎる人達を観察し、刺さる寒さに耐え
ひたすら待った。
「…ごめん!お待たせ!ちょっと店長に怒られちゃってさ〜」
「あ…」
焦った様子で僕の前まで走ってきたのは三上先輩。
もう来ないのかと思った。
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