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04 雨の日の再会4
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「おれは知ってるんだぞ。蒼のストーカーめ!」
星野は意地悪く彼を見る。
蒼だったら、たじたじになっているところだろうけど、彼はあまり気にしていないようで、相変わらずにやにや笑っていた。
「星野さん。なんで関口が蒼のストーカーなんですか?」
吉田は、事情が分からずに星野と関口を見比べていた。
そんな中。
蒼は、まっすぐに彼を見ていた。
「なんだって顔出さなかったじゃないか」
「すみません。ちょっと私用が立て込んでしまいまして……」
「私用なんてあんのかよ」
憎まれ口ばっかりだ。
だけど、心配していたってことがありありと分かる。
蒼は、思わず笑ってしまった。
「蒼」
「は、はい!?」
一人で笑っていたのに。
関口に呼ばれてビックリした。
慌てて返事をする。
「ちょっと話があるんだけど」
「え……?」
「付き合えよ」
「……」
おろおろして星野たちを見る。
夕飯を食べる約束が……。
しかし、二人は顔を見合わせて苦笑する。
「じゃ、おれらは帰るわ。蒼、ごゆっくり」
「あ、星野さん!吉田さん!ごはんは?」
「関口と食べてくれ!」
二人は手を振り、さっさと駐車場の方向に消えて行ってしまった。
「あ、あの!」
取り残されてしまうと一気に静寂が訪れる。
なんだか気恥ずかしい。
あんなにお礼しようと思っていたのに。
いざ逢うと、何と言って良いのか分からない。
一人で慌てていたが、関口は極めて普通だ。
おたおたしている自分が馬鹿みたいに見えた。
「乗れよ」
「あ、……うん」
彼に促されて、あの時と同じく蒼は助手席に収まった。
車に乗っている間も静かなものである。
蒼は、おろおろして、どこに行くのか、何を話したいのかも聞けずに混乱していた。
しかし、はっと気が付くと見慣れた場所。
自宅ではないか。
「おれの家?」
「もう遅いし。うどんでいいぞ」
「へ?」
「おれは嫌いなものがない」
しばらくぽかんとしていたが、やっと気づく。
夕飯を食べさせろと言っているらしかった。
「は!?な、ななな!?なに?突然やってきて夕飯をたかる気か!」
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