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05 二人1
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衝撃的な同棲生活宣言から1週間後。
トラックがやってきて、当然の如く、彼は同居することになった。
いつまでも、ぐじぐじ文句を言っている蒼だけど、関口は、全く聞く耳は持たず。
なんでも半分こ。
一石二鳥なんて言っていたクセに。
関口は音楽に夢中でマイペース。
家事なんて、一切手伝う気もない。
食事を作るのは、蒼が担当だし。
掃除だってしないし。
それに、一緒にいても話題もかみ合わない。
かろうじて唯一の共通点である星音堂の職員の話は出来るが、それ以外は全く別の世界の住人だ。
狭い環境で、二人でいることは辛いことでもある。
蒼は、朝出勤して、遅番の日は21時を過ぎる。
関口は、何も予定がなければ、日中はのんびり柴田の家に行ってヴァイオリンの練習をしている。
蒼は、早寝早起き派。
関口は、夜更かし寝坊派なのだ。
パターンが違うのに狭い環境にいるってことも大変なことなのだった。
彼と一緒に住むようになって一週間。
一石二鳥どころか、お荷物が増えて蒼にとったら最悪の同棲生活だった。
今朝も蒼は、仕事に行くために早起きだ。
もう同じ時間に起きるってことが身体に染み付いているのか、目覚ましがなくても、自然に目が覚める。
むっくり身体を起こす。
一日の始まりだ。
ベッドの上でしばらくぼんやりとする。
まだ目が覚めないのだ。
じっとその場で身体を慣らしてから起きだす。
しかし、半分寝ぼけた状態だ。
「起きないと……」
ぼんやりして目を擦りながらベッドから降りようとする。
むぎゅ。
「イテ!」
なにか踏んだ?
瞬きをして足元を見ると、迷惑そうにしている関口がいた。
彼は、蒼に踏まれて悲鳴を上げたのだ。
寝るのが早い蒼はいつも先にベッドに入るので窓側に寝ることが多い。
しかし、起きだすのは蒼のほうが先。
必然的に手前に寝ている関口を越えていかなければならないのだ。
だけど、まだ一週間くらいの話だ。
寝ぼけていると、関口が一緒にいるってことを忘れてしまうことも多いのだ。
関口は抗議した。
「蒼!」
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