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07 決意の休日3
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一週間。
こうして一緒に探してみると、いろいろな感情が生まれている。
めんどくさい。
我儘な関口の相手は面倒。
だけど、そればっかりではない。
誰かが一緒にいてくれると言う嬉しさ。
暖かさ。
そして安心感。
いい感情もたくさん生まれていた。
強引に引っ張りまわされているけど、こういうのも悪くはないのかも知れない。
一人でアパートにこもっていても仕方がないことなのだ。
今まで静かだった日常が、ざわついた賑やかな物に変わってしまったのだ。
そして、今の状況がそんなに嫌ではない自分が不思議だった。
「目覚めた?」
ぼんやりしていて気づかなかった。
視線を戻すと、彼は買い物をした袋を抱えて立っていた。
慌てて自分も降りて荷物を受け取る。
ずいぶん買ってきたみたいだ。
「なに買ってきたの?」
蒼は、ちょっと眠くて不機嫌な口調。
だけど彼は、気にしていない様子で笑顔を見せる。
「ん?今日は付き合ってくれたお礼に食事を作るよ」
「え?作れるの?」
この一週間くらいは、ほとんど蒼が作っていたのだ。
てっきり出来ないものだと思っていたが。
「まあね。そんなに上手くないんだ」
「そ、そう……」
「帰ろう。大丈夫か?疲れたみたいだな」
関口が蒼のことを心配するのは、珍しいことである。
ふと不安になった。
急にどうしたのだろうか。
いつも、つんつんとそっけない関口。
優しいときもあるけど、いつもは冷たい感じの彼なのに。
彼が急にこんな事を言うなんて。
言い知れぬ不安が胸をざわつかせる。
それとは対照的に笑顔のままの関口はアクセルを踏んだ。
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