アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
23 すれ違い15
-
「ただいま~」
結局、残業になってしまい病院には寄れなかった。
蒼が帰宅をしたのは19時30分だった。
関口がご馳走を作ってくれると言うから楽しみにして帰ってきたのに。
「あれ?」
アパートは真っ暗だった。
電気を着けて中に入るとテーブルの上にメモが載っていた。
「?」
メモには慌てているような関口の字で『友達と急に逢うことになった。夕飯食べてて』と書いてあった。
「また……?」
思わず本音が出る。
はっとして自分の口元を押さえた。
いくらなんでも蒼だって寂しい。
昨日から、関口とほとんど会話をしていないような気もする。
でも肝心の関口がいないのだ。
文句を言う相手もいない。
「仕方ないよね。うん」
なんだか急に疲れが出る。
喉の調子はよくなったものの、いろいろ考えていたせいで結構疲れていたらしい。
だけど、今日は彼が夕飯を作ってくれているって思っていたから頑張ってきたのに。
「関口……」
蒼はベッドに横になり、天井を見詰めた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
171 / 869