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25 小舅vs恋人7
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窮屈な時間は過ぎるのが遅い。
蒼と関口がアパートに帰宅したのは3時を過ぎていた。
二人ともぐったりしている。
結局、関口と陽介が直接ぶつかることはなかったのはなによりだったが、帰り際、陽介の捨て台詞にぐったりだ。
『おれはあんたに蒼をやる気はないからな』
「ごめんね。関口。嫌な思いさせて」
蒼はベッドに横になっている関口を見る。
「いいって。蒼のせいじゃないじゃん」
彼は笑う。
「だって」
「おれは、蒼の育った家が見られたり、蒼の昔の話が聞けたり。それから、お母さんの手料理に。お前の兄弟にも会えた」
最後の言葉は苦笑いだ。
「関口」
「蒼の家族に認めてもらうのは、時間が掛かりそうだな」
「……」
身体を起こして蒼をぎゅっと引き寄せる。
「大丈夫。おれ、打たれ強いしね。心配してないよ。蒼のこと好きなことには変わりないしね」
そうだった。
陽介の『あんたのこと、好かない』の言葉に対して、関口も一言。
『意見が合いますね。おれもです』
これからのことを考えると頭が痛い。
「一回、じっくり話してみたいね。あの陽介君」
「へ!?」
なにを言い出すのかと顔を上げる。
「関口!!」
「だって、おもしろそうじゃん」
へへと笑う関口の笑顔は怖い。
ライバル意識むき出しだ。
「売られた喧嘩は買う主義でね」
「そ、そうだったの!?」
関口の意外な一面。
まあ、負けず嫌いは知っていたが。
会わせるくらい大丈夫だろうなんて踏んでいた自分が甘かったようだ。
これは大変なことにならないといいなと思う。
これからは、関口を実家に連れて行くのは辞めよう。
「蒼」
「なに?」
「来月、帰るときはおれも行くから」
「へ!?」
「楽しいね。蒼」
「関口!」
怖い!
怖すぎる!!
蒼はにやにやしている関口をしたから見上げてがっくりうなだれた。
騒動は、まだまだ治まりそうにないだろう。
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