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結局、きちんと最初から話したら関口には理解してもらえたようだった。
音楽家は頑固だからな。
なんて自分のことは棚に上げて笑っていたけど。
それはどうなのだろうか?
自分の隣で、スヤスヤ夢の世界に旅立っている関口の頭を撫でる。
「自分が一番頑固なクセに」
思わず苦笑する。
と、不意に腰に腕が伸びてきて引き寄せられた。
「わわ!」
「聞こえているよ」
「なんだ。寝てたんじゃないの?」
蒼は苦笑する。
「蒼のほうから、おれに触れてくるなんて珍しいじゃない。寝ている場合じゃないね」
顔を引き寄せられて唇が重なる。
「ちょ、」
「ん……ッ」
軽く触れて、そして深く。
「関口、おれ明日も仕事なんだからね」
「いいじゃないの」
「よくない」
「じゃあ、やめる?」
「え……?」
そう言われてしまうと。
「えっと」
「いいよ~。別に。蒼がやめろって言うならやめるけど?」
意地悪だ。
蒼はむっとする。
「な、なにそれ!」
「だってそうじゃん。いくら付き合っているって言っても、無理無理はだめでしょう?」
「そんなのずるいよ!今まではそうだったじゃん」
「そっかな~」
「関口!」
なにそれ。
蒼は顔を赤くする。
関口はたまに意地悪だ。
年下のクセに生意気だと思う。
「蒼が嫌なら仕方ないって言っているだけじゃん。なんで怒るの~?それとも、して欲しいの?」
「へ?」
意地でも蒼の口から言わせたいらしい。
だけど。
ずるい。
キスだっていいところまでしておいて。
人をその気にさせておいてこれだもの。
意地が悪い。
「関口って捻くれいてる」
「仕方ないじゃない。あの両親の子だよ?」
「そんなことない!関口のお父さんもお母さんも素敵な人だし」
「じゃあ、おれだけ拾われっ子かな?」
いつまでこんな押し問答を続ける気だろう。
蒼は諦めた。
俯いて、関口に自分からキスをする。
「して。関口」
蒼の言葉に彼は満面の笑みを浮かべる。
「待ってました!蒼」
「ちょ、ちょっと!なに、それ?」
「いいじゃないさ」
苦笑して彼は蒼を抱きしめる。
「静かにね。お隣さんにご迷惑様だから」
「それはこっちのせりふ……」
抗議しようと声を上げたものの、関口の唇でふさがれて続かない。
熱いキスにめまいがする。
こうなってしまうとどうしようもない。
なるようにしかならないのだ。
蒼は、ぎゅっと関口にしがみついた。
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