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自宅に帰ってからも蒼はしょんぼりしていた。
ベッドに横になったまま動かない。
明日からせっかくの連休なのに。
いつもだったら休みの前は嬉しくて騒いでいるところだが。
今日は静かだった。
関口が気を使って夕食を作ってくれたけど、なんだか食べる気もしなかった。
「蒼、ほら。食べて」
「いらない」
「蒼!」
強引に腕を引っ張られる。
「関口……」
「食べなさい」
命令口調の関口。
しぶしぶ起きだして机のところに座る。
今日は蒼の好きなハンバーグだ。
「蒼、元気出して」
「そう言われても」
大好きなハンバーグなのに。
今日は味が感じられない。
箸も進まなかった。
「明日、休みだろう?付き合うから。練習しようか」
「うん……」
「どこでするかな?着ぐるみも借りたほうがいいね」
「うん……」
何をいっても上の空だろう。
関口は諦めて食事を進めた。
ぼんやりしている蒼はため息ばかり。
いつの間にか気付くと食事はすっかり下げられた後だった。
「今日はお風呂に入って寝な」
「関口」
「ハンバーグはラップしておいてあげたからね。明日食べな」
「ありがとう」
重い身体を起こして、蒼は浴室に向かった。
それを見送って関口もため息だ。
蒼の気持ちは十分に分かる。
いつも自分が抱えていることだもの。
だけど、こればっかりは自分で乗り越えないといけないものなのだから。
蒼は初めてのことで戸惑っているのだ。
時間がかかるかも知れないな。
ベッドで楽譜を開いて関口は考える。
明日はどうしようか?
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