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39 ブレーメンへ行こう!5
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四人は薄暗い森の中を歩いていた。
「夜になってきたクル」
「そろそろここらで休もう。ブレーメンまでの道のりはまだ遠いよ」
「じゃあ、この木にしようわん」
一同は大きな木のところに行く。
「ボクとオンドリさんは上で寝るから、君たちはしたで寝るといいにゃん」
「そうしよう」
猫とオンドリは木の上に上る。
ロバと犬はしたで丸くなって眠りについた。
すると、オンドリが大きな声を上げた。
「あっちに明かりが見えるクル!」
「本当かい?」
「お腹も空いたし、行ってみようわん」
一同は歩きだし、一軒の家の前にやってきた。
「窓が開いているにゃん」
「ちょっとボクが見てみるね」
ロバはそっと中の様子を伺う。
中では人相に悪い男たちが酒を飲んだり、金貨をいじったりしていた。
「今日は大量に収穫があったな」
「まったく、いつもこうだといいんだが」
「課長、今日は飲んでお祝いをしましょうね」
その様子を見ていたロバに犬が訊ねる。
「なにが見えるんだい?ロバくん」
「極悪公務員のあじとみたいだ。中には美味しそうなご馳走が山のようにあるよ」
「お腹すいたにゃん」
「同感だクル」
「なんとかご馳走をいただけないもんかわん?」
四人は顔を突き合わせて相談をした。
「ってな作戦はどうだい?」
ロバの言葉に一同は大きく頷いた。
「よし!それでいくクル」
「うまくいくにゃん?」
「みんなで打ち合わせどおりにやれば大丈夫だわん!」
「じゃあいくよ。せ~の!」
ロバが、窓枠に足を掛け、その背中に犬が乗った。
そして犬の上に猫がよじり上り、最後に、猫の上にオンドリが飛び乗った。
更に、みんなで一斉に大きな声で鳴いた。
「ひんひん!わんわん!にゃ~ご!こけこっこ~!」
「わわ!」
「怪物だ~!」
「逃げろ!!」
極悪公務員たちはあまりの衝撃に取るものも取らずに一目散に家から逃げていった。
「やった~!」
四人は一緒に手を合わせて嬉しそうに踊る。
「ご馳走だ!ご馳走だ!」
目の目に広がる食事を見ながら四人の踊りは続いた。
ステージは一気に暗くなる。
静かな音楽に一同は安心して寝る。
『食事も食べてお腹いっぱいになったみんなは疲れていたのかすぐに眠りに落ちました。それぞれは気に入った場所で眠ります。ロバは庭にある藁の上。犬は戸の後ろ。猫は暖炉の前。オンドリは屋根の上。みんな楽しい夢の中。しかし、脅かされた極悪公務員たちは黙ってはいません。なにせ、悪のかぎりを尽くしてきた公務員なのですから。さっきはちょっと驚いてしまったけど、こんなことで引き下がる輩ではなかったのです』
ステージの半分にだけライトが当たる。
そこにはさっき追い出された公務員たちが集まっていた。
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