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56.迷子の子13
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「戻りました!」
大きな荷物を抱えて出社した高塚を待っていたのは編集長の波野。
「なんだってさっぱりした顔しちゃって」
彼は苦笑いだ。
「マネージャーなんて頼んだから落ち込んでいるのかと思ったぞ」
「そんなことないです!おれ、結構好きみたいです。こういう仕事」
「そっか。それならいいんだけど。こっちもマエストロの密着取材の許可が下りて本当に助かっている。お前には悪いと思っているんだけど」
「構いません。いずれ記者として仕事をする時の
ために。勉強だと思っていますから」
失礼します、と頭を下げて嬉しそうに自分の席に座る彼を見て、波野は笑ってしまう。
「何、いいことあったんだか。単純で困る」
にこにこして書類の整理をしている彼を見て波野は呟いた。
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