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60.おねだり8
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「う、うん?」
「いい返事」
圭はそう言うと、背中に回していた手をスカートの裾から忍び込ませる。
いつもとは違う感触。
「……っ」
蒼は息を飲む。
「そう緊張しなくてもいいじゃない」
「だ、だって……つっ」
太腿を撫であげたその指は、蒼を握り上げた。
「なんか変な感じだけど、これはこれでいいね。スカートの中なのに。蒼は男だ」
「やっぱり、これ、もうやらないッ」
ずっと待ちわびていた感覚に、息が上がる。
嫌だ、じゃない。
本当は好き。
もっとして欲しい。
圭を見上げた瞳からは涙が溢れる。
「……っ、んッ」
「声我慢しなくていいのに」
手ではあきたらない。
スカートをまくり上げると、そのまま口に含む。
「ひゃッ……ッ」
こんなシチュエーション。
恥ずかしいばかりなのに。
我慢できない。
手錠で繋がれた手を差し伸べて、おねだりをする。
おねだりって、そんなに難しいことじゃないんだ。
蒼は思う。
こうして、圭に対しての想いを素直に口にすればいいだけだってこと。
今まで、素直じゃなかった自分が情けない。
「圭、圭が欲しい……っ」
蒼の気持ちは、嬉しすぎる。
蒼の溢れ出た体液で濡れた口元は艶かしくて目が離せない。
「あ……っ」
「おれも。蒼の中に入りたい」
「うん……いいよ」
不自由な両腕を首に回し、体が密着すると、二人は容易に繋がり合う。
「はッ……んんッ」
「はぁ、はぁ……気持ちいい、蒼」
嫌いとか。
ダメとか。
嘘。
ただの照れ隠し。
星野も。
吉田も。
三浦も。
尾形も。
みんな、それを楽しんでいるのだ。
別にいいじゃない。
やましいことでもない。
気持ちに素直になって、彼を求めればいいだけのことだったのか。
蒼はそんなことを考える。
だが、それもほんのひと時のこと。
すぐに、情欲の波に飲み込まれる。
「あ、あっ……あんッ」
「なんか、今日の蒼は特にエロい。ヤバイ……」
「そ、そんなことっ!……やッ」
「だめ、出る」
「んんっ!」
疲れなんて何処かに行ってしまうくらい。
二人の時間は切り離された世界みたい。
肩で息をして、圭の頬を撫でる。
「蒼」
「おれ、好きみたい。本気で」
突然の告白に、圭は笑う。
「何それ。今までは本気じゃなかったってこと?」
「ち、違うけどっ!もう言わない」
「ウソウソ」
圭はぎゅーっと蒼を抱きしめる。
「おれは幸せだ」
「圭……」
おれも。
蒼はその言葉を飲み込んでじっと目を閉じた。
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