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60.おねだり9
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ちょんちょん。
ぷにぷにした感触を頬に感じる。
うっすら目を開けると、目の前にはけだもの顔があった。
「う……ん?けだも?」
もしゅもしゅと枕を手で揉む。
「にゅ~」
お腹でも空いたのだろうか?
重い頭を押さえて身体を起こす。
今日は。
そうだ。
休日。
月曜日。
いつもだったら圭のほうが先に起きてなにやら掃除とかをしているはずだけど、さすがに疲れも出ているのだろう。
すやすや寝息を立てている。
今日はゆっくり寝かせてあげるか。
蒼は苦笑して起きだす。
手を付いてバランスをとろうとした瞬間。
うまくいかなくて転倒。
結局、圭の上にダイブしてしまった。
「うぎゃ!」
「わ~!!」
ものすごい音にビックリして、けだもは飛び出していく。
「な、なに?なになに??」
圭は飛び起きて当たりを見渡す。
そして、自分の膝の上に倒れ込んでいる蒼を発見した。
「蒼!?どうしたの?」
「いたたた……」
蒼が転ぶのは日常茶飯事だが、今日のは豪快だ。
ビックリしてしまう。
「こ、これ!忘れてたッ!」
不自然な格好で身体を起こした蒼は両手に嵌められたままの手錠を差し出す。
「ぷっ」
「笑ってんなよ!」
む~っと怒る。
「ごめん。外すの忘れちゃったね」
「早く外してよ~」
「はいはい」
圭は苦笑して蒼の手錠に手をかける。
「……」
「……」
「…………」
「…………」
「ちょっと!なにもたもたしてんの」
「だって。これ、どうやって外すんだ?」
「へ?」
「……」
「……」
沈黙。
汗が出た。
「どど、どうすんの~!!」
「どうしようもないだろう?」
「圭のバカぁ~!!」
半泣きだ。
よくよく見ると鍵が必要らしい。
これは吉田に助けを求めるしかないだろう。
「そう泣くことはないだろう?吉田さんに連絡しよう」
踏んだり蹴ったりだ。
なれないものは使うものではないな。
服を着るにも両手がこの状態ではどうしようもない。
袖が通せないのだ。
ベッドの中でぐずぐずしている蒼を見て苦笑し、圭は蒼の携帯を取り上げた。
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