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66.スコア3
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今回のリサイタルは凱旋リサイタルと題されている。
関口圭が地元に帰って来た。
そういう名目らしい。
会場はあちこち打診をしたが、結局は星音堂で決まりそうだと言っていた。
しばらく前からあった企画。
リサイタルの曲も多いので早めの打ち合わせである。
ホテルのロビーに行くと、一人の女性が座っていた。
若い子である。
「すみません。遅くなって」
圭は初めてだが、高塚はすでに演奏会出演についての打ち合わせで何度か会っているようだ。
「いえ。こちらこそ。今来たばっかりです」
「圭くん。今回ピアノをお願いすることになる東野美鈴さんです」
東野。
聞いたことがある。
彼女もまた、新進気鋭の音楽家で名が知れ始めているところだ。
「関口圭です」
「宜しくお願いします。関口くんの伴奏が出来るなんて光栄です」
くるんと巻かれている髪。
肩までの長さのそれは彼女を女らしく見せていた。
「先日のお父様との競演、聞きました。とっても素敵でしたね」
「あ、そうなんですか」
なんだか気恥ずかしい。
こうして面等向かって褒められると照れる。
高塚に促されて、ソファに腰を下ろした。
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