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76.男の意地2
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星野の真面目化は止まらない。
星野はすっかり全うな人間になっていた。
確かに、付き合い始めた頃は、少し身だしなみがまともになってきた程度だったのに。
ここのところ、そのぴっちりさは度を増している様子だ。
最近まではサンダル履きだったのに、革靴になったし。
休憩時間に広げていた競馬新聞は封印された。
毎日のように手作りお弁当を持ち、お茶まで持参してくる始末。
携帯だって最新のものに変更した。
今まではレアな着うたなしのものだったのに。
なんだか様子が変だった。
これは明らかに、油井のためにしていることなのだろうと想像が出来る。
しかし、ここまでやる必要があるのだろうか?
なんだか、不思議でならなかった。
しばらくは見守っていたものの、あまりにもひどい変貌なので、痺れを切らす。
油井にメールを入れてみることにしたのだ。
昼休みに入れたメール。
『星野さんが変なんだけど…。なにかあった?』
返事は夕方に返ってきた。
『その件で蒼さんに相談しようと思っていました。お時間とっていただけますか?』
やっぱりである。
油井とのことでなにかあったのだ。
隣でぐ~たら仕事をしている星野を横目に、蒼はメールを返す。
今日は日勤だから。
早めに帰れる。
星野に気付かれないように、時間を見計らって出ないと。
そう思うとなんだか緊張した。
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