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79.もう一人の来訪者7
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結局。
ショルはレオーネたちと合流して三人で東京に一旦、戻ることになった。
圭がどうしようもなくなって圭一郎に連絡を取ったのだ。
ショルを初め、世界で活躍するであろう新人音楽家たちである。
日本のクラシック界が放っておくはずがない。
そう見込んでの連絡だった。
圭一郎はあいにく日本にはいなかったが、彼からの情報となれば出版社各種が黙っているはずがなかった。
案の定、三人には取材が殺到した。
しかも、大手の出版会社である。
取材と引き換えに東京観光を企画してくれると言う。
どうしようか迷っていたレオーネたちだったが、こんな田舎で三人で暴れられると収集がつかなくなるのだ。
ここはさっさと上京してもらったほうがいい。
それに、田舎で暇を持て余すよりは、東京観光でもしてくれば日本を感じられると言うものである。
圭はすぐに東京に行くように促し、高塚を同行させて三人を送り出した。
ほっと一息だ。
塩でもまいてやろうか?
ふとそう思う。
騒がしいのが嫌いなけだもは、ベッドの下に隠れていたが、静かになったことに気が付いてノコノコ出てきていた。
「お前も大変だったな。けだも」
「にゅ~」
ソファにぐったりして天井を仰ぐ。
今日はどうにも練習できそうにない。
後5日。
演奏会まで、なんとかしなくちゃな……。
大きくため息を吐くしかなかった。
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