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80.家政夫は見た!11
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「室長!!紛らわしいことをしないでくださいよ!!」
翌日。
安齋の声が市制100周年記念事業推進室に響く。
隣にいた保住は耳を塞いだ。
「うるさいな。朝から」
「だって、本当にびっくりしたんですけど!」
「何もびっくりする必要がないだろう。おれが何をしたって言うんだ?ただ有給を取って、妹の交際相手を探してやっただけじゃないか」
「それが紛らわしいって言うんですよ!なあ、田口」
彼が声を荒上げるのは珍しいことだ。
ぽかんとしている大堀の隣にいた田口は苦笑する。
「ほら!田口だって心配して……」
「もう大丈夫だから。安齋」
「田口?」
彼は笑っている。
「大丈夫だ。田口にはちゃんと話してある。心配するな。と言うか。お前がそんなに友情に厚い男だったとはな」
「ぐ……」
保住は不敵な笑みを浮かべる。
田口は昨日とは打って変わってニコニコだ。
安齋一人踊らされたのだ。
馬鹿みたいに!
半分、騙されたような、馬鹿にされているような感覚に怒りを覚えるが、保住は爽やかに笑顔で言い放つ。
「昨日だってサボったんだ。今日はしっかり働いてもらうからな!」
「室長……」
大堀はとばっちりが来ないように知らん振りをする。
ちゃっかりしているんだから。
安齋からしたら不本意な結果になったショル騒動。
ひとまずは一件落着。
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