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85.主夫の1日8
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「ただいま……」
買い物を終えて、自宅に戻ったのは夕方になっていた。
疲労困憊とはこのことである。
ヴァイオリンの練習をするよりも疲れた。
玄関のところで座り込んでいると、けだもが嬉しそうに駆けてきた。
そろそろお腹も空いてきたのだろう。
「ただいま。けだも」
手を出すと、それに頭をこすり付けてくる。
色々な匂いがするからかも知れない。
「どれ。洗濯物入れないとな」
重い物を左で抱えることが出来ないので、荷物は全て右手。
今度は右手がいかれそうな勢いだ。
主婦の仕事とは重労働だと思う。
こうして、やらなければならないことをこなすと、一日はあっと言う間だし。
彼女たちは、こうして生活に追われているのだろう。
食品を冷蔵庫にしまってから、洗濯物を取り込む。
今日はいいお天気だったから乾きもいいようだ。
居間で夕日に当たりながら洗濯物をたたむ。
隣では遊んで欲しいのか?
けだもがおもちゃを持ってきていた。
「ちょっと待っててね。けだも」
いつまでたっても遊んでもらえないと分かると、彼は一人で転がったりして遊んでいる。
それを横目で見ながら、お風呂のお湯を沸かし、洗濯物をしまう。
「えっと」
今度は夕飯の準備をしないと。
料理は元々好きだけど、こうも毎食作るとなるとレパートリーに困る。
適当に買ってきた食材を頭に思い浮かべながらメニューを決める。
面倒だ。
定番のカレーでいいだろう。
そう判断して、さっさそく取り掛かる。
蒼はいつ帰ってくるだろうか?
ちゃんと仕事してるかな?
なんだか気持ちまで主夫になっている圭であった。
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