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94.夢見たものは2
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星音堂も瀬戸際なのだ。
現状のままでいられるとは限らない。
きっと、水野谷は100%本庁に戻るはずだし。
氏家は、継続して雇ってもらえるかも分からない。
高田はどうだろう?
尾形は?
彼は家族もいるし。
安定した道を選ぶのではないだろうか?
星野は?
彼だって分からない。
別にここに対して、そんなに愛着があるようにも見えないし。
のらりくらりと、自分の好きなことが出来ればいいと思っているタイプだ。
本庁か、民間か。
どちらを選ぶかは、その時の待遇次第だ。
吉田はどうだろう。
彼は、本庁は厳しいといっているが、安齋の件もある。
本庁に戻るかも知れない。
じゃあ、自分は?
自分は、星音堂が好きだ。
本当に好き。
きっと残るって言うに決まっている。
だけど、周りの環境が変わってしまうとそうも言ってられないかも知れない。
どうなるのだろう?
どうなるのだろう?
金子のこともあるし。
この時期に、星音堂のイメージが悪くなるのは明らかに不利だ。
きちんとした企業が入ってくれるといいんだけど。
なんだか余計に憂鬱になってきた。
そこに、電話が鳴る。
「はいはい、星音堂ですけど……」
星野が出る。
彼は少しして、険しい表情になる。
そして、けっと悪態を着いて電話を切った。
「どうしたんですか?」
「苦情だとよ。最低のホールがある場所に住んでいる自分が恥ずかしいとかなんとか言ってやがった」
「え?」
メールが鳴る。
「三浦だ」
蒼は携帯を見ると、三浦からのメール。
今日はお休みだけど。
メールを見ると『掲示板で大騒ぎになってるっす』と、一言だけ。
なんだか、もやもやもやもやした。
なんとかしないと。
このままでいいはずがない。
蒼は携帯をいじりだした。
「蒼?」
こうなったら声をかけても無駄だ。
星野と吉田は首を竦めて、仕事に戻った。
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