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95.蒼、大物に会う4
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『なんで三浦となんだよー』
電話口で研修の話しを聞いた圭はむうーっとした口調になる。
機嫌悪くなるだろうから言いたくはなかったのだが。
後で言っても同じなら、最初に話してしまったほうがいいと判断したから。
蒼はすぐに圭に報告したのだった。
「おれだって知らないよ。課長の命令だから」
『水野谷さん、蒼と三浦をくっつけたいんじゃないのか?』
それは被害妄想である。
仕事に、そういう感情は入ってこないからだ。
「ともかく!そういうことなの。おれはサラリーマンだから。命令は絶対なの」
『とかなんとか言っちゃって……』
「それより!圭はいつ帰ってくるの?」
『おれは、明日にはこっち出るよ』
「そっか!じゃあ、あさっては来る?」
蒼はわくわくした。
彼の嬉しそうな声に、圭も少し苦笑してしまった。
三浦のことなんか。
本当に関係ないのかな?
圭はなんだか少しほっとして、『早く会いたいね』と伝える。
「うん!待っているね!」
『うん。じゃあ、おやすみ』
「お休み」
蒼は電話を切り、ふふと笑う。
楽しみ。
やっぱり圭が帰ってくるのは楽しみなのだ。
本当に楽しみ。
蒼は研修のことなんかすっかり忘れて、けだもの手を振り回した。
「にゅー」
けだもは迷惑そうに蒼を見ていた。
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